煮ても焼いても食えない話 

 

よく、どうにもならない奴を 「煮ても焼いても食えねえ奴 」と言うが

裏を返せば煮たり焼いたりすればある程度の不味いものも食べれるようになる。

ということである


 

フランスを代表する酒の一つにブランデーがあるが、実はフランスにはブランデーと呼ばれる酒は存在しない

ウイスキーのボトルとブランデーのボトルをよく見比べて欲しい。(家に無い人はとりあえずDonJuanにでかけよう!!!)

スコッチウイスキーにしてもバーボンウイスキーにしてもラベルにWHISKYもしくはWHISKEY と表記されている
(2つのスペルの違いについてはここをクリック)

しかし、世間でブランデー(日本国産を除く) と呼ばれているフランスの酒にはどこにもBRNDYとは表記されていない

フランスでは蒸留酒のことを オードヴィ と呼んでいる。オードヴィ には ” 生命の水” と言うすごく仰々しい意味がある。

ブランデーは正式には オードヴィ−・ド・ヴァン  (ヴァンはワインのフランス語) と呼ばれている。

ワインから造られた蒸留酒という意味。  蒸留とは”焼く”行為で日本では酒を焼く、蒸留したものをそのまま 焼酎と呼ぶ。

ワインとブランデーの関係はそのまま日本酒と米焼酎の関係とイコールである。

 

では何故ワインを焼くに至ったか?

 

その昔、ワインはフランスの外貨獲得のための大きな財源であった。

フランスのワインは国外によく売れオランダの貿易商人たちはフランスでワインを買いつけ、海外に運んで売った

ワインは慢性の品不足になり、オランダ商人たちはワインの先物買いをするようになった。

当然ながら農家は高品質の葡萄よりも量産の効く種類の葡萄に切り替え大量生産に走った。

結果、ワインの品質は落ち、売れなくなり大量の在庫を抱えるにいたった。

転んでも只では起きないのがオランダ商人、ワインを煮て焼いて蒸留したのである。

蒸留とはワインの水分を飛ばして度数を高めて濃縮する行為で、例えば日本で売られているオレンジジュースなどは海外から水分を飛ばして濃縮したものを輸入し輸送コストを押さえ、日本で再び水を足してもとの量にもどしてから売られる。この行為で作ったジュースは濃縮還元 とパッケージに表記されるが100%果汁とも表記できる。

これと同様、オランダ商人はワインの水分を飛ばし、高濃度のアルコールに転換し、輸送効率を高め、輸出先の国々で水でわってもとの量にもどした。

オランダ語で、Burned 焼いた はブランドウと発音され、焼いたワインはブランドウワイン、略してブランディーと名づけられフランス国外で売りさばかれた。これがブランディーの誕生であった。

蒸留することのもう一つのメリットとしては、生もので熱や空気に触れることに弱いワインの弱点が無くなること。これにより更に遠方の国に貿易に出かけることができるようになり、フランスを代表する酒となった。

まさしく どうにもならない奴は一回 煮て焼いて見るものである。評価はその後で